私には大切にしているものがある。
人間と言う地球を支配している気になっている存在の前に、どんな存在であっても結局は地球の1部でしかないという事実。
自然豊かで根源的なエネルギーが今なお色濃く息づいている大和の大地を歩いていると、そのことをさらに全身に思い出させてくれる。
懐にすっぽりと飲み込まれると、安らぎだけになる。
母の子宮の中のような、父の腕の中のような、命が本来一瞬たりとも離れることのない地球の温度。
けれど人間は、ずいぶん遠く、その温度から離れてしまった。
温度を感じられない不安でいっぱいな気持ちを、紛らわしながら膝を抱え震えている。

怯えなくていい。
君が自分の大切なもののために必死で戦ってきた事はよくわかっている。
どうしても守りたかったんだよね。
でも、ものすごい勢力がやってきて全く歯がたたなかった。
けれど、その色に染まる事は決してできない。
それは魂を明け渡すことになるから。
もし自分に何かあっても守り抜いたこの精神だけは、絶対に消されぬようこの土に刻んでおく。
それは、千年の時を超え、この土地を訪れた人々の魂に働きかけるであろう。
大和とは、大きな和の誓。
形も掟もない、移りゆく自然との調和。
君の魂がその温もりを取り戻す時、その調和の完璧さに気がつくだろう。

日陰のない田園風景を歩いていると、重なり合った意識がそう語りかけてきた
おびえているのは私?君?それとも別の誰か?
きっとみんなだね。
ありがとう。