朝勤行というのが、どういうものか全くイメージになかったけれど、法事などで目にする、お坊さんが木魚を叩いてお経を読みあげるのだろうと、ぼんやりと思っていた。
石の階段を登り切って靴を脱ぎ本堂に入ると、真正面に15メートルはありそうな大きな十一面観音様が迎えてくださった。
若いお坊さんたちは、これから始まる勤行に備えて、蝋燭立てを磨いたり、場を整えている。
黙々と作業する音だけが響き、会話は一言もない。
屋根だけがあって周り一面ぐるりと景色が見渡せる板の間に座って木々たちと共に、その静けさに浸っていた。
やがて刻が来て、お祈りが始まった。
それが想像していたのとは、まるで違う世界だった。
一言で言うと、
「Funky!」
力強い太鼓のリズムに合わせて般若心経を唱える。
10人はいるお坊さんたちがそれぞれ担当の部分を1人で、全体で、ハモリで、ユニゾンで、その繰り返されるグルーヴがどんどん螺旋となって空間にトランスを起こし、その場にいる全員の魂が内へ内へと導かれていく。
大抵「まだ終わらないのかな」としびれる足をもぞもぞさせるのが常だったけれど、真反対。
ぐんぐん高まる太鼓とお坊さんたちの声に引き込まれ、刻が止まってしまえばいいのにと思うほどだった。

本当にすばらしい響きだった。
和尚さんは、昨今の流行疫病に苦しむ人々に向けてもお祈りいたします。とお話しされていた。
けれど壁に囲まれた室内も含めてマスクの強制はなく、消毒も薬臭いアルコール液ではなく、古の香り漂うお浄めのお香だった。
なんと粋で愛に満ち溢れているのだろう。
この気持ちの良いグルーヴを皆さんにも体感していただきたい。
YouTubeなどあったらぜひ教えて欲しー(笑)


と言ってたら見つけました!
実際の長谷寺の朝勤行ではなく、お坊さんYouTuberの方が再現されたもののようですが、雰囲気は伝わるのでぜひご覧ください。