「赤穂にとっても素敵な友人が暮らしていて、赤穂緞通(あこうだんつう)という伝統的な織物やギャベを作っているんです。」
とカフェのゆきちゃんから聞いて、とてつもなく会いに行きたくなった。
旅の予定を立てている途中、瀬戸内海までは難しいかもとなりかけたのだけれど、「どうしても瀬戸内海を見たい!」と子供のように駄々をこねて連れて行ってもらえることになった。

播州赤穂といえば忠臣蔵の赤穂浪士が有名だが、実際に訪れている人は少ないのではと思う。
太平洋沿いに西へ西へ向かい岡山のちょい手前。
実際に見る瀬戸内の海は想像を裏切らない穏やかさで、赤穂の町は想像を超える素朴さだった。
まるで昭和の映画に出てくるような漁村の街並みが広がり濃厚な磯の香りが漂っている。
波打ち際まで歩いて行くと、もうすぐそこに小豆島が見える。

浜パンさん(濱本昌子さん)のアトリエ「工房毯なか」は、とても可愛らしい2階建てのおうちで、あちらこちらに作品が飾られているステキ空間。
なんと中と外で10匹以上の猫ちゃん達と一緒に暮らしている。

浜パンさんはとても明るく楽しい人で、小気味よい関西弁から暖かさが伝わってくる。
赤穂緞通に魅了されて、この街に移り住んだのだそうだ。
工房を営んでからもいろいろな不思議話やご縁があるそうで、やはり必要な場所へ必要な人が呼び合うのだなとニマニマしてしまった。
近い将来アフリカに織物を伝えに行くプランがあるそうで、夢を語る彼女の目はとてもキラキラしていた。

その時制作をご依頼した一回り大きいサイズの「色波(いろは)」が、私たちの営む湘南のカフェに届いた。
そう、これこれ! この色合い この触わり心地。
優しくて力強くて暖かい、まるで浜パンさんそのものだ。

いつか湘南でもワークショップを開いて欲しいな!
人の手ってすごいね。
どんなに機械化が進んでも、手から手に伝わる大切なたくさんのものを守っていきたい!と強く思う。
そして、これからも心つながる人や風に出会いに、感じるまま旅を続けよう。

浜パンさんの営む 工房 毯なか(たんなか)のInstagram
instagram.com/ako.tannaka/
『ALOHAとHONU』
『色波(いろは)』