幅の広い階段と三輪山を従えて大きな大きな鳥居が出迎えてくれた。
漂う空気すべてから、歴史の古さが滲み出している。
ここは日本最古の神社だそうだ。
傾いた陽に照らされて森の木々が輝いている。
木々たちも華やかさはないけれど、とても優しい。
階段を登りきると大三輪様が左右に手を広げて
どーんと鎮座されていた。
どこまでもどこまでも横に広がるエネルギーに大きな懐を感じる。
たくさん深呼吸してそのエネルギーを体中に吸い込んだ。
三輪様は白蛇様だそうで、「卵を投げ混まないでください」の看板に、投げ込んでしまう人がいるのだなとクスっとしてしまった。
私は蛇は竜の祖先と受け止めているので、そこにも歴史の深さと親しみを感じる。
お参りをして気の向くまま広い境内を散策していると、薬水の神様に出会った。
雑木林を上っていくと水汲み場があり、持っていた宝物の石を浄めさせていただいた。
キラキラが増してとても喜んでいるようだ。
私たちもたくさんお水をいただいて、三輪様の所まで戻っているとどーんどーんと太鼓の音が響いてきた。
閉社の刻を告げているのだ。
三輪山全体に響く太鼓の音はとても心地よく、いつまでも止まないでほしいと思った。
名残惜しい気持ちで登ってきた幅広の階段を下りていると正面に大きなまん丸の夕日が現れた。オレンジが鮮やかでとてもまぶしい。
「ここからはもののけの時間だから、人間は速やかに帰りなさい」と言われているようだった。

そそくさと階段を降りて先程の大きな大きな鳥をくぐり、向き直ってから
ギリギリの時間にありがとうございました。
薬水もありがとうございました。
深い深いエネルギーをありがとうございました。
と丁寧に手を合わせて山を後にした。
今度はゆっくり1日かけて山を巡りたいなと思う。

大神神社 境内マップ
http://oomiwa.or.jp/keidaimap/